平成14年度ブロードバンド部会及び基幹ネットワーク活用部会 合同部会(第1回)開催概要  去る8月2日(金)、今年度第1回のブロードバンド部会及び基幹 ネットワーク活用部会の合同部会を霞城セントラル商工団体会議室 で開催し、約45名の会員の皆様にお集まりいただきました。お忙し いところ大変ありがとうございました。  協議ではまず、赤塚BB部会長、平中基幹ネット部会長から、今 年度のそれぞれの部会の取組方針について提案いただきました。 ○ブロードバンド部会の取組方針について(赤塚部会長) ・ブロードバンド部会の検討テーマとして、地方におけるブロード  バンド利用環境の整備ということがあると思うが、昨年度県で整  備した基幹高速通信ネットワークについて、現在行政用として使  われているが、もう少し有効に活用して、実験的な部分や場合に  よっては日常的な活動の中で使えるような環境も実現すればよい  と思っている。 ・協議会のメリットの一つは、色んな人がこのような場に集まれる  ことだと思う。集まって基幹ネットワークの活用方法に関して新  しい企画を提案していただいて、そのような提案を取り込んでい  きたい。現在予算はないが、良い提案であれば予算をとってくる  方策もあると思うので、是非この場を積極的に活用していただき  たい。 ・我々の部会の今年度の取組みとしては、後ほど事務局から提案し  てもらう、基幹ネットワーク部会と共同で行いたいと考えている  具体的な企画が一つと、もう一つは、ブロードバンドをどう活用  していくか、あるいは活用するためにはどうしたらよいか、につ  いて良い提案を受けながら進めていきたいと考えている。 ○基幹ネットワーク活用部会の取組方針について(平中部会長) ・昨年度は9月に部会を開催し、地域IXの提案、ワイヤレスアク  セス網の提案、IPv6共同研究の紹介などを行い、皆さんに議  論いただいた。地域IXについては、県内における伝送速度など  各種数値データからも構築する必要性があると考えている。また、  IPv6については、13年度に霞城サテライトと県庁、ケーブ  ルテレビ山形をIPv6で結んでテレビ会議の実験を行い、うま  くいった。 ・今年度の取組みとして、まず、広域地域IXの構築について、現  在部分的につながっているものを「次世代IX研究会」などの動  きとも連携しながら、拡大していきたい。またIPv6を活用し  た経路制御について検討したい。 ・二つ目として、後ほど事務局から提案してもらう無線LANアク  セスに関する実証実験を考えている。ホットスポットについて、  私としてはホットスポットがどんどん増えてくれるのはありがた  いと考えており、利用者を限定するサービスもあるが、できれば  そのような制限がないほうがいい。また、企業的には成り立たな  いような場所については、自治体なりNPOなりが行う必要があ  るかも知れない。そういった意味では、県の基幹ネットワークを  活用してホットスポットを展開していく方法もあると考えられる。  そこから上流につなぐ場合にはユーザごとに契約するという仕掛  けをすれば、民間プロバイダと競合することにもならないのでは  ないか。 ・ほかにも、皆さんからの御意見次第で色々取り組んでいきたいが、  いずれにせよ、「基幹ネットワーク活用部会」として、意味のあ  る活用を提案しながら、県民レベルまで使えるような方向に持っ  ていきたいと考えている。 (産業創造支援セ 金内さん) IPアドレスは県でもプロバイダ  からもらっているわけなので、地域IXにはプロバイダが自主的  に参加すれば良いのではないか。 (平中部会長) どちらでもいいが、プロバイダが参加してくれれ  ばそれで良いし、プロバイダがだめなら県がつなげば良いと考え  ている。  次に、県情報企画課の鈴木補佐から、両部会共同の取組みとして の実証実験について、次のとおり提案いたしました。 ○条件不利地域におけるラストワンマイル確保に向けた取組みにつ  いて(県情報企画課 鈴木補佐) ・総務省の「全国ブロードバンド構想」や県内におけるブロードバ  ンド提供状況等を背景として、ADSLなど民間事業者によるブ  ロードバンド・サービスの提供が受けられない条件不利地域にお  いて、地域公共ネットワーク等を活用して、無線LANなど比較  的安価な技術によるラストワンマイル確保についての検討を行い  たい。併せて、住民・事業者・公共それぞれの負担スキームにつ  いても検討したい。 ・また、先ほど地方部こそ多様な情報の活用方法があるとのお話が  あったが、地方部におけるコンテンツやサービスのあり方につい  ても検討していく必要があると考えており、これらを踏まえて今  年度実験的なことを行いたいと考えている。(以下イメージ図で  実験イメージを説明)  この提案に対して、御出席の方々から次のような御意見をいただ きました。 (ゆい合資会社 本間さん) 先日山形市西部に引っ越してADS  LもフレッツISDNも使えず、PHSも届かない状況に陥った。  近くに双葉小学校や市の少年自然の家があり、少年自然の家では  IT講習会も行っているが、常時接続の環境はない。また、その  先に県民の森があり、様々な地域活動も行われているので、デジ  タル・デバイドの解消や過疎化に対応するようなサービスも議論  の対象になっていいと考える。 (屋島さん) 現在フレッツADSLは県内25市町で提供されてい  るが、ほかの19町村はまだ使えず、山形市でさえ地域によって  は使えない。そういった意味では提案のあった取組みは素晴らし  いと思うが、ただデジタル・デバイドということを考える場合、  先ほどの提案ではPCを持っていれば参加できるが、PCがなけ  れば参加できないということだと思う。県なり市なりの情報をP  Cを使わない高齢者や主婦の方々にどう伝えるのかということを  同時に考えておかないと、全体が十分な恩恵を受けることになら  ないだろうと考える。その辺も併せて考えていただければと思う。 (ニューメディア 嵐田さん) 私どもも色々な検討を行っており、  今回の実験に参加できるのであれば前向きに考えたい地域がいく  つかある。ただ、集合住宅における無線LANアクセスについて  検討したことはあったが、誰でも使える分、混線等の心配があり、  回線品質の問題があるということで、実験程度で終わっている。  もしこういう実験でお手伝いできる部分があればいいと考えてい  る。  引き続き、東北インテリジェント通信(株)の鹿野智弘さんから、 現在東北総合通信局等が仙台駅前で実験を行っている「仙台ITア ベニュー ユビキタス環境モデル実証実験」について、また、(株) デーシーエスの菅滋徳さんから、同社が8月1日から開始された無 線LANサービス「霞城セントラルエリアHOTSPOT」につい て、御紹介いただきました。鹿野さん、菅さん、お忙しいところ本 当にありがとうございました。お二人の事例紹介に関連して、 ・免許を必要とする5GHz帯無線アクセスシステムについて ・PCの設定方法について ・パソコンスクールで使用しているPCとのネットワークについて ・無線LAN環境のコントロール(室内だけで使用する方法)につ  いて などの質問・意見等が出されました。  続いてフリーディスカッションに移り、次のような意見交換が行 われました。 (平中部会長) 今のお話を聞いて、自宅で無線LANを使ってい  る方は開放しようかという気になった人もいると思う。金内さん  のお話のように悪いことをされると困るのでやめておこうかとい  うことになると思うが、もう電波のコントロールをやめてしまっ  て、インターネットとはそういうものだと考えたほうが話は簡単  で、そういうアクセス環境をどんどん拡げていただいて、そうい  う人の少ない地域では自治体なりボランティアの方がやっていた  だけるといいかなと思っている。   また、無線LANの実験については、電波法で許される限りで  もう少し飛ばすアンテナがあり、3〜4km飛ぶものもある。西  の山の辺りだと、霞城セントラルから産業創造支援センター辺り  を中継すれば届くんじゃないかとも思うので、そういう仲間を見  つけて協力してもらえば、かなりエリアを広げることができると  思う。 (金内さん) 2.4GHz帯で工業技術センターと産業創造支援  センターの約700m間を八木アンテナでつないでおり、ほとん  ど落ちたことはないが、一度だけ非常に天気の良い日に、半日間  不通になったことがある。多分ほかの局が変な電波を出していた  んだろうと今になって思うが、いつもつながるのが無線ではない  という認識で使う必要があると思う。 (赤塚部会長) 今日事務局で提案した企画以外でも、県のネット  ワークを利用してこういう実験をしたいという提案があれば、是  非提案していただくと、県にお願いもできるし、それを通してこ  の地域でブロードバンドをもっと生かしていくようなことも考え  られると思うので、積極的に御提案いただきたい。 (佐々木情報企画課長) 我々もこの場に参加すると大変励まされ  る。是非色々な御意見・御提案をいただいて、それを我々は予算  化できるものは予算化して、あるいは皆さんや市町村に御協力を  お願いするものはお願いして進めていきたいと考えているので、  いつでも御遠慮なく御意見・アイディアを頂戴したい。  当日提案いたしました実証実験の進め方につきましては、内容を 詰めましてまた皆さんにお諮りいたしたいと思いますので、どうぞ よろしくお願いいたします。                           (以上)                        (以上)